「就労に関する研究と対策を」
村岡茉実
就労に関する対策と研究の一環として、名寄で開催されておりますジョブコーチ研修6日間を受講してきました。
その一部を報告いたします。
職業体験実施日2018年6月7日
旭川ベストム東神楽店にて、職場実習にあたりました。こちらのスーパーは障害者雇用を実践されているスーパーです。
まず、障害者雇用管理にあたっている方からのお話を聞きました。
障害者の中でも「精神障害」を持たれている方を雇用したお話。精神障害者に関しては今までで1名の採用があったのですが、難しいことがあって辞めてしまった、とのことでした。
このジョブコーチ研修中の何人かのお話にも、精神障害の方は継続が難しい場合が多いということ。
精神障害の方をどうフォローしていったら良いのか?ということは、重要な課題だと実感致しました。
ベストムさんで雇用されている障害者は現在14名。大半が知的、発達の障害の方々。障害者は他の社員に本音を話せない部分が多いので、ジョブコーチが障害者の本音を聞く役を担っているおかげで助かっているとのお話。
ジョブコーチは他の社員と障害者の仲介の重要部分になって、お互いの言いにくい、相談しにくい事を聞いて対処法や解決法を考えていく仕事なのだと理解いたしました。ジョブコーチがお互いの心中を共有させていくことで、仕事上で障害者がどのように考えてどう感じているのか、他の社員が理解することで、障害者自身の成長につながりうまくいくのだということでした。
また、障害者雇用のうまくいかなかった事例もお話を聞くことができました。
・会社側が、仕事をたくさん覚えて成長してもらいたいと思い、早番遅番とシフトを入れてみたら、そんな働き方が希望だったわけではなかった。そのことを早い段階で分かってあげることができなかったため、障害者がストレスを蓄積してしまって辞めてしまった。
・前職の経験でその仕事が出来ると思って担当させてみたら、実はその仕事が嫌いだった。
このようなことから、意見の食い違いは、障害者の本音が聞けなかったことが原因ではなかったのかということでした。
ジョブコーチの役割は、障害者自身のためだけではなく企業全体にとっても重要な役割を果たしているということが理解できました。また、ベストムの障害者の指導を担当されている方のお話では、障害者のスキルはスパルタ教育とほめ指導の併用で伸びていったとのお話でした。スパルタ指導が通用し、定着に繋がっているということは、担当されている方の愛と熱心さからなのではないかと思いました。
指導が完了された方のお仕事を拝見いたしましたが、彼らは完全にその仕事のスペシャリストになっておりました。その周辺で働いている健常者の誰よりもスペシャリストに。感銘を受けました。
担当の方のお話を聞いた後、私たちは仕事現場に実際に出て体験をさせてもらいました。
私が担当させていただいたのはお菓子(和菓子系)の陳列棚の棚卸作業。
指示出しをしてくれたのは、ベストムのエースと言われる女性。
指示はとてもシンプルなものでした。
倉庫から在庫出しをしてくるので、棚の商品を前出し(商品を前に出して新しい商品を入れるスペースを後ろに確保すること)そして、倉庫から出してきた新たな商品の補充。
シンプルな指示出しから、商品の陳列状態を見て、古いものを前に出し、商品を補充しながら、補充した商品の周辺の商品をついでの流れで前出ししていき、効率を考えながらどんどん前出しと補充作業を進めていき、その陳列棚一面綺麗にそろえることができました。
その作業工程を振り返り、分析していくと、自分はできるがこれを障害者に置き換えていった場合どうなっていくのでしょう。
前出ししながら補充、という同時作業は難しいことが想像できてきます。
一つの作業をクリアし、次の工程に進んでいくのがベスト?
まず、前出し作業を端から始めてそろえ、すべてがそろったところで商品の補充。
箱に残った商品は棚の最上段へ。
カラ段ボールは解体して置いておき、最後に片づける。
指示出しがシンプルだった分、作業もシンプルでとても分かりやすく、分析する内容も非常にシンプルなものになりました。
作業終了後、体験グループメンバーと作業工程や感じたことをシェア。
同じお菓子コーナーで飴等のコーナーを担当していた方の話を聞き驚きの違いがありました。
商品の日付と商品番号のチェックをしなければならない指示、そして一度すべて棚から降ろして最新のものを奥にしまった後に依然並んでいたものを戻す。
私が作業していたところでは細かい指示はなく、私の理解で判断し、日付など見ながらこなしていたり商品の違いは見た目で判断して種類を選別して、私自身の判断で補充していったのですが、この指示の違いでどちらがいいのか?
的確な判断が身についているものであれば、指示出しはシンプルでいいかもしれないが、判断できないものに対しては、丁寧で細かいチェック支持が必要かもしれない、しかし、細かい指示がありすぎると判断が混同してしまう可能性がある、などを想像しました。
そして、指示するものの違いがあり、指示担当者が変わったら混乱してしまう可能性も否めないということも考えられるということ。
また、商品によっては類似したものがあり間違いやすいという問題も見えてきたり。
想像していくと、どんどん、今まで気にしていなかったことが見えてくるようになってきました。
職業体験実習を通し、作業分析とシェア。
多くの気づきと学びを得ることができました。
これからも日ごろから、普段の自分の生活、周りの環境、作業分析を注意深く分析していくことによって、もっともっと見えないところが見えてくるのではないかと思うので、それを普段から実践していってみたいと思います。
そして、今回のすべてのカリキュラムを終了したことを活かし、現場で活用していきたいと思います。
ありがとうございました。
名寄の猫です♪
以上
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