障害者の親なきあと問題とファミリアのご紹介

障害者の親なきあと問題とは

障害を持っている子を親が介護している場合、親が先に亡くなった後、どのようにその子が十分な介護を受け、不自由なく幸せに人生を送ることができるか。

これが「障害者の親なきあと問題」といわれるものです。単に「障害者の親なきあと問題」と言っても様々な種類の問題があります。

悪徳業者による詐欺被害。知的障害者、精神障害者をターゲットとした悪質な訪問販売や、判断能力の不十分な障害者をだまし、金銭をだまし取る事件は後を絶ちません。障害や認知症がある人からの消費者センターによせられる相談は年間約2万件にも及びます。

 浪費の問題。知的障害者、精神障害者自身によって管理することはなかなか難しく、また現代社会では消費意欲を煽るような広告が溢れています。自宅で気軽に買い物ができる便利なはずのシステムが、浪費につながってしまうことも多々あります。

 横領被害。施設の職員や、保護者、成年後見人などの本来知的障害者、精神障害者を護る立場であるはずの者による犯罪です。事件やニュースになっているものもあれば、今この瞬間においても、明るみになっていないものもあるのではないでしょうか。

障害を持っている子の親の立場である方々の状況としては、これらの問題に対して「漠然とわかってはいるけれども、どうしたら良いかわからない」「どこに相談したら良いかわからない」というような現状がほとんどです。

日々の生活を過ごすのがやっとの中で、漠然とした不安を抱えたまま過ごしているという方が多くいます。またその結果、自分と子供の将来を悲観し家族の人生を諦めてしまうというケースすらあります。

そこで「障害者の親なきあと問題」について、総合的に相談を受ける相談室をつくろうと考えました。それが「障害者の親なき後問題相談室ファミリア」です。

 

障害者の親なきあと問題相談室ファミリアとは

障害者の親なき後問題について、総合的な観点から相談をうけ各分野の専門家が直接アドバイスができるようにつくった相談室です。

どこにも相談ができずに独りで抱えてしまう人を一人でも助けられるように「いつでも相談ができる」「なんでも相談ができる」ということを重視し、ファミリアの名の通りの親しみやすい相談室であることを理念としています。

勇気を出して相談をすれば意外と簡単なことで解決したり、知らないだけで利用できる便利な制度が見つかったりと、まずは相談に来てくれるだけで大きな前進の一歩になり得ると考えています。

最も避けたいのは情報から孤立してしまうことです。どうしても日々の生活や介護に追われ、誰かに会うことや情報を得る機会から遠ざかり、何かあった時に気が付けば周りに相談できる人間がいない、ということもあるようです。

相談室の開設に経緯としても、とある障害を持つ子の親の相談を受けたときに、そういった「情報からの孤立」があるということに気づいたことが最初のきっかけでした。

相談の内容としては、ちょっとした相続の知識を知ってさえいれば、すぐにでも解決できるような困りごとでしたが、たしかに放っておくと親が亡くなったあとに、残された障害を持つ子やその兄弟が困ってしまうといった状況でした。その相談者には簡単な遺言をひとつ書けば解決するということを伝え、その場ですぐに遺言を書いてもらい安心して帰っていただきました。

その相談を通して、同じようなで状況でありながら相談をする機会に恵まれなかったり、そもそも自身の抱える問題に気付いていなかったりするような、まさに情報から孤立してしまっている障害者とそのご家族がたくさんいるのではないかと気付いたのです。

もちろんその問題自体を意識していない訳ではなく、「漠然とわかってはいるけれども、どうしたら良いかわからない」「どこに相談したら良いかわからない」といった状況でした。また、それらの声を聞くと同時に「障害者の親なきあと問題」について相談できるところがあれば本当に助かるといった声をたくさんいただきました。

そこで協力してくれる有志や専門家を集め、相談室ファミリアの開設にいたりました。

設立の背景

障害者の親なきあと問題について、多くのご相談を受けてきましたが、具体的には下記のような内容に集約されます。主に知的障害または精神障害のある子を持つ親御さんからのご相談がほとんどです。

 

① 障害のある子どもの「生活環境」に関する事

・子どもが自身ですべての家事を行うの難しい。グループホームや施設に入ることを考えるべきか、両親の自宅に住むことができるように考えるべきか。

・将来グループホームや施設に入ることを想定したときに、今からできることはどんなことがあるんでしょうか。

 

② 障害のある子どもの福祉制度・生活保護の利用に関する事

・子供のためにいくらくらい遺してあげれば良いのでしょうか

・「障害年金」を含めて考えて足りなくなる部分などはどうすれば良いのでしょうか。

 

③ 障害のある子どもの「財産管理」に関する事

・子どもがひとりになったときに自分でお金の管理ができるか心配。

・お金をだまし取られてしまったりしないでしょうか。

詳細はこちらのページへ

後見制度について

成年後見制度をわかりやすく解説!

生命保険信託について

親なきあと問題解決の最初の一歩?「生命保険信託」について

 

④ 障害のある子どもへの「財産承継」に関する事

・兄と障害のある弟の二人の子どもがいます。どうやって財産を遺すべきでしょうか。

・遺言を書こうと思うのですが、障害のある子どものためにはどのような遺言を書くべきなのでしょうか。

詳細はこちらのページへ

遺言について

障害者の親なきあと問題に遺言が必要な理由について

 

⑤ 障害を持つ子どもの「就労」に関する事

・なかなか障害者を雇ってくれる企業の中では、子どもにあった環境が見つからない

・一般企業に就職しても続かずにすぐにやめてしまう

詳細はこちらのページへ

ジョブコーチ村岡茉実とジョブコーチ業務の紹介

 

これらの問題点に対応できるように各専門家が集まり、設立したのが

「障害者の親なきあと問題相談室ファミリア」です。

司法書士・行政書士・ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士・社会福祉士・ケアマネージャー・ジョブコーチ(障害者の職場適用援助者)等が上記の問題にたいして、協力して解決に導きます。

 

従来の「商品前提型の専門家」から「問題解決型の専門家」へ。

 

親なきあと問題について不安を抱えるご夫婦からこのようなご意見をいただきました。

 

「いままで多くの専門家に自分達の相続について相談してきました。しかし、ハウスメーカーに相談をしに行けば、節税対策に空き地に住宅を建てることを提案され、保険屋さんに相談すれば生命保険を売られ、法律家のセミナーや無料相談会に行けば高額な民事信託の契約を提案され…

どの専門家も自分の商品を売る事しか考えていないようにしか見えないです。公平な立場から意見をもらうにはどうしたら良いのでしょうか。」

 

同じ専門家として恥ずべき点ですが、いまだに自身の「商品」を売ることに固執し、相談者が本当に求める解決に導くことができていない専門家が多数であるというように感じます。

とくに行政書士・司法書士・弁護士などの法律家で言えば、売りたい商品が「借金の過払い金請求」等から「民事信託」へ変わったのでしょう。民事信託の押し売りのようなセミナーや必要性の薄い民事信託の提案書をよくみかけます。

 

ちなみに上記のご夫婦の相談を、相談室ファミリアで検討し、いくつかのパターンを提案したところ、ご夫婦の意向から、シンプルな遺言と生前贈与のプランで対策をとることになりました。ご夫婦の想いを聞き取ると、意外と簡単な対策だけで問題を解決することができたのです。

 

今、専門家に変化が求められています。

 

ファミリアの目指すこと

ご相談者様との対応力

障害者とそのご家族からの相談を受け、あらゆる方面から親なきあと問題に対応できる体制をつくっています。

そのために法律面、財産管理面、経済面、生活面、各方面の専門家を集め、ひとつの家庭が抱える問題を、複数の専門家がそれぞれ検討し、会議し、最高の提案ができる体制を実現しました。相談者自身も気づいていなかった問題点についても事前に察知し、その予防策を提案できます。

 また、ファミリアの専門家相談員は、単に知識だけがある専門家を集めただけでなく、日々面談とコミュニーケーションの訓練をし、相談者に心から寄り添うことのできる人材を集めています。専門家にありがちなきちんと相手の話を聞かずに、知識だけを並べるような相談員は、ファミリアにはいません。

仮にすぐには解決できないような問題であっても、その悩みを相談員に話してもらい、心の整理をしてもらうことで、少しでも気持ちが楽になってもらえるような対応を心がけています。

相談者から

「ファミリアに相談してよかった。これでもう安心です。」

「ひとりで悩まずにまずはファミリアに相談しよう。」

「ファミリアに相談しただけで元気が出て前向きになれた。」

そんな風に思ってもらえる相談室を目指しています。

 

障がい者の親なきあと問題に関する認知度

どれだけ対応力があっても、どれだけ心に寄り添うように相談者に対応しても、ファミリアの存在を知られていなければ意味はありません。特に助けなければならない対象者は、情報から孤立してしまっているようなご家族です。そのご家族にどうやってファミリアの存在を届けるか、大きな課題として捉えています。

地道な活動を通して、情報から孤立してしまっているようなご家族にもファミリアの名前が届くようになることを目指しています。

 

代表より一言

親なきあと問題相談室ファミリア 代表

司法書士AXIS法務事務所 代表)

司法書士 渡邉 護

とある障害者のご家族からのひとつの相談をきっかけに、親なきあと問題相談室ファミリアを立ち上げました。

情報から孤立してしまい、誰にも相談できないままでいるご家族や、制度や手段を知らないだけで損をしてしまっているご家族の力になりたいと考えています。

専門分野としては主に成年後見制度についての相談対応、財産管理方法の提案、遺言書の文案の作成、信託契約書の作成、解決策全体のリーガルチェックなどを行っています。

漠然とした不安を抱えて相談にくる方々が、安心して悩みを話せるように、専門的知識についてだけでなく、コミュニケーションや人の感情・心についても知識を深めるようにしています。

またファミリアの組織つくりについては、人格面からも専門性からも本当に信頼できる人にしか声をかけておりません。相談員同士も信頼しあって知識を交換し、誰もが意見を出せるような環境つくりをすることで、相談者にとっての最善の提案をつくることができる体制になっています。

「ファミリアに相談してよかった。これでもう安心です」

常に相談者のみなさんにそう言ってもらえることを目標に、自身の精進とよりよい組織つくりを心がけていきます。

コメント

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