前回、相談室あいりす様との勉強会の様子をまとめました。
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今回はその勉強会の中で、医療者による法人後見についても触れさせていただいたので、その内容です。
引き続き、「あいりす通信」のないよ内容を当相談室のホームページにて引用して投稿させていただきます。相談室あいりす様、誠にありがとうございます。
今年の夏は、連日30度を超える強烈な暑さに見舞われました。みなさんはうまく暑さに対処できたでしょうか? 冷たいものが美味しい季節となった今年の夏でした。
新型コロナウィルス感染症が第5類感染症に移行したことに伴い、お祭りなどの各種イベントが再開されて、至るところ賑わっていますね。みなさん楽しい夏は過ごせたでしょうか? 引き続き感染症対策をしっかりと行って、年末まで楽しく過ごせるとよいですね。
さて、今回のあいりす通信では、昨年度に続き、勉強会の模様をお伝えしようと思います。この通信では、成年後見制度についてお伝えすることも多いですが、あいりす職員としても、まだわからないところは多くあります。そこで、勉強会を開き、自ら学ぶとともに、みなさんにも有益な情報を提供できるよう努めています。
勉強会
さて、今回は、相談室あいりすの勉強会の様子をご紹介します。
昨年度は成年後見制度や遺言等に関する勉強会の様子をお伝えしましたが、この勉強会では、法人後見についてと、医療者による後見人について、お馴染みの司法書士の渡邉さんと、特定非営利活動法人ココロにハルを の酒谷晃生さんをお迎えして、お話を伺いました。
まずは、お二人と、NPO法人ココロにハルを(以下「ココハル」)を、簡単ではありますが、紹介しましょう。
司法書士渡邉護について
法律の相談ではお馴染みの、司法書士の渡邉護さん。司法書士AXIS法務事務所、障がい者の親なきあと問題相談室ファミリアの代表です。あいりすでもいつも相談にのっていただいています。NPO法人ココロにハルを の監事を務められています。
NPO法人ココロにハルを代表理事 酒谷晃生氏について
作業療法士の酒谷晃生さん。NPO法人ココロにハルを の代表理事です。株式会社ココロにハルを では代表取締役を務めており、ココハル訪問看護ステーションを運営しています。電子書籍『旅としての人生』も出版されています。
NPO法人ココロにハルを
設立 : 2020年11月11日
事業内容:学校や職場、家庭環境や人間関係等において少なからず心的ストレスを抱えながら現代社会を生きゆく人びとに対して、様々なイベント活動や取り組みを通じ心身共に健康的で活力溢れる人々の増加促進や 社会的繋がりの構築を図り、現代そして未来の世代の人々が持続的に互いを助け合い続ける事の出来る利他の精神性の育成、
ストレスケアによこころの健康の充足、更には自殺・孤独死の予防、健康寿命の延伸に寄与することを目的とする。
具体的には、こども食堂や自然学習、医療者による成年後見人の活動のほか、各種イベントを主催・コラボレーションしています。
詳しくはホームページをご覧になってください。
あいりす相談員「では、早速ですが、渡辺さん。ココハルでは法人後見を行っており、チームで後見業務を行っているわけですが、法人後見のメリットはどのようなところにありますか?」
司法書士渡邉「そうですね。やはり個人が後見人となるよりは、法人後見の方がメリットは大きいですね。
①個人のように後見人が死亡することはないので、法人内での職員の高齢化や死亡にも対応ができます。職員が入れ替わっても、法人は継続します。
②チームで仕事することができます。職員が得意とする分野・場面で、各々が対応できます。
③法人のなかで、会議をしながら重要事項等を決めていくことができます。
迷う場面は多くありますが、みんなで様々な角度から検討して決めていくので、最善の決定ができます。」
あいりす相談員「なるほど、いいことばかりなのですね。
そうであれば今後は法人後見は広がっていきそうですが、いかがでしょうか?」
司法書士渡邉「今のところ、法人後見をしているところは、道内でも10はないのではないでしょうか。
ただ、需要はあると思います。今後少しずつ増えてくるのではないでしょうか?
法人後見は、法人の形態であれば、株式会社や合同会社、一般社団法人、NPO法人でも可能です。親の会による法人後見の例もあります。」
あいりす相談員「今後は選択肢も増えていきそうですね。さて、次は、二つ目の話題、医療者による後見についてお聞きしましょう。医療者であることによるメリットはあるのでしょうか?」
酒谷氏「医療職としての経験から、信頼関係(ラポール)を築くことやアセスメント(課題分析)に長けています。意向を汲み取り、ニーズを掘り起こしていくことができます。ご家族からは、非常に好評を得ています。」
あいりす相談員「医療者ということで、医療行為を行うことはあるのですか?」
酒谷氏「いいえ、行いません。医療行為には、医師の指示が必要となります。
ご本人の様子を見て、必要があればケアマネージャー等との連携をはかり、必要な対応することができます。」
あいりす相談員「なるほど。医療者として経験や対人面での技術から、ご本人としっかりとコミュニケーションがとれて、早い段階で信頼関係が築けるのですね。また本人の様子を見て、状態を判断して、必要なサービスや医療につなげていくことができるのですね。そこには大きなメリットがありますね。」
司法書士渡邉「法律家のような冷たいイメージはありませんね。医療者による後見には、あたたかいイメージがあります。本人(被後見人等)の家族からの安心感の言葉が聞かれています。」
あいりす相談員「ココハルでは、どのような職の方が、後見業務をされているのですか?」
酒谷氏「私のような作業療法士や看護師、社会福祉士・精神保健福祉士、渡邉さんのような司法書士がいます。
今後は、ケアマネージャーや行政書士等の専門職も仲間に入れて、様々な視点を入れて共働していきたいと考えています。」
あいりす相談員「多様な職種が集まって後見業務ができるのは、法人後見ならではですね。」
酒谷氏「ご本人(被後見人等)の想いや意思を叶え、財産管理との最適なバランスをとっていきたいと思います。丁寧に対応することができ、必要に応じて、月に複数回訪問することもあります。どのようにメリットを引き出していくかは、今後の課題でもあります。」
職員みんな、真剣に話を聞いています。一方的に話を聞くのではなく、活発に質疑が行われました。
機会を作っていただきました、ココハルの酒谷さん、渡邉さん、ありがとうございました。また是非お話の機会を頂きたいです。そして一緒に仕事等できたらいいですね。
この紙面では、お聞きした話の全てを載せることはできませんが、ほかにも様々なお話をお聞きすることができました。今後、あいりすでも、今回学んだことを仕事に活かしていこうと考えています。これからも、様々な人や組織とつながりを持ち、より充実した支援が提供できるよう、がんばっていきます。
以上、あいりす通信様からの引用でした。
医療者による法人後見は、全国でも前例のない事業なので
相談支援事業所の相談員の皆様から感想を聞けて非常に勉強になりました。
貴重な機会をありがとうございます。
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