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]]>にて、当相談室の司法書士の渡邉護がお話させていただきました。
以下、渡邉からの感想です。
網走市手をつなぐ育成会の理事の皆様に大変あたたかく出迎えていただき、講演させていただきました。講演までの間、理事の皆様に網走の育成会のご事情をお聞きし、悩んでいるご家族にどんなことをお伝えすべきか考えることができました。
会場には早めにはいり、育成会の皆様と一緒に会場設営。とても立派な演題までご用意いただき、気合の入る思いです。
講演には80名近い方にお越しいただき、皆様終始真剣に聞いてくださっていました。
内容は親なきあと問題とは何かといういつものお話から入り、成年後見制度、遺言、信託、生命保険信託、未成年障害者の任意後見契約、とお話させていただきました。
伝えるうえでいつも注意している点としては、どの制度が良いとか優れているということをお伝えしたい訳ではなく、それぞれの制度には一長一短があり、組み合わせてつかうことが大事であるということです。
また、自分たちだけで悩まずに早めに当相談室にご相談された方が良いということもお伝えしております。当事者のご家族で、自分たちで抱えてしまい、なかなか相談に行けず、早めにできた対策ができなくなってしまうということもあり得ます。
なにより、自分たちだけで対策をしようとして、間違ったやり方の対策をしてしまい、その分の時間やお金を浪費してしまうことがもったいないことだと思います。その時間を家族との時間に使ったほうが有意義な場合が多いです。餅は餅屋という言葉がありますが、無理をせずに専門家にご相談されると良いでしょう。
事前にいただいた質問には「障害者の親の親の亡きあと問題」に関することがありました。
当相談室に多く寄せられるご相談のひとつです。
「障害者の両親の両親が亡くなるまでにできることはありますか?」
とてもたくさんある中、ご家庭ごとにやるべきことは大きく異なるので、一般化された回答は難しいですが、そういった問題も含めて早めにご相談をいただくと良いかと思います。
障害者から見た祖父母の皆様もそれぞれ想いを持っているので、祖父母が元気なうちに家族内で共有し、法知識と併せて最善の方法を考えられると良いでしょう。
次の日は、手をつなぐ育成会のお子さんたちヨサコイを見に網走刑務所矯正展へ。
網走市長とお会いすることもでき、大変充実した時間を過ごすことができました。
また北海道新聞でも今回の講演について取り上げていただき、
今後も地方での講演も積極的にお受けできればと考えておりますので、ご依頼をお待ちしております。よろしくお願いいたします。
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]]>The post 任意後見契約・任意後見人の使い方と手続きの流れ first appeared on 障がい者の親なきあと問題相談室ファミリア.
]]>簡潔に言うと、「当事者の意思のもと」財産の管理や難しい契約を代わりにしてくれる人を選ぶ契約というようなものです。
まずもととなる成年後見制度についてですが、詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
成年後見人制度とは、判断能力が不十分な方の代わりに本人の財産を管理してくれたり、必要な契約を結んでくれる成年後見人を選任する制度のことです。
本人や親族の申し立てで、家庭裁判所が成年後見人を選任します。
成年後見人制度の大きな難点としては
「後見人が誰になるかは裁判所が選ぶため、本当に信頼できる方が後見人になってもらえるかどうかわからない」という点があります。
これは成年後見制度を利用しようとする多くの方が思い悩むことで、成年後見人と親族との間のトラブルや、対応の悪い成年後見人の話を聞いて、どうしても成年後見人制度を使いたくないという方のお話をよく耳にします。
家庭裁判所が選びたがる司法書士・弁護士等の専門職後見人の横領事件が後を絶たないことも、市民が成年後見人制度の利用に消極的になってしまう理由のひとつなのでしょう。
まとめると成年後見制度の大きな難点である「成年後見人を本人や親族の意思で選べない」
ということに備えられるようにできた契約がこの任意後見契約です。
簡単に言うと、自身の意思能力が衰える前に、契約によって誰を後見人にするのか決めておく契約。
この任意後見契約は後見人を自分の意思で契約によって決めることができます、
「特定の信頼できる誰かに後見人になってもらいたい」
「後見人の報酬について、裁判所に決められた額でなく自身の意思できちんと決めたい」
「自分の財産の内容をよく知らない人には見られたくない」
任意後見契約はこういった方に適した契約手段です。
まず条件として、この任意後見契約も契約であるため、本人の意思能力が必要になります。
この任意後見契約もひとつの契約であるため、任意後見契約を結ぶためにもやはり契約のための十分な判断能力が必要なのです。
ご高齢の方が自身の認知症対策の中で使う場合の任意後見契約も、認知症が進行してしまい、契約を行うだけの判断能力がなければ契約を締結することができません。
よって、重い知的障害や精神障害をあって意思能力が不十分な場合はこの契約を締結することができません。
反面、精神障害などで、「時々」意思能力が不十分になってしまう場合などであれば、意思能力が認められるタイミングで契約を結ぶことができます。
この任意後見契約の締結は公証役場というところで、公証人の立会のもと行う必要があります。公証役場に事前に文案を提出し、日程等の打ち合わせをする必要があるので、基本的には専門家に依頼して進めることになるでしょう。
契約の締結後は、本人の意思能力が不十分になった時点で、後見開始の手続きを行います。この手続きについても公証役場を通じて行います。任意後見業務を開始する際には、「任意後見監督人」を家庭裁判所で選任してもらいます。
任意後見監督人とは、裁判所で選任される監督人で、任意後見人の業務を監督する者のこと。主に弁護士・司法書士などの専門職が行う場合が多いです。
報酬もかかり、本人の財産から支出することになります。
家庭裁判所の示す報酬の目安としては、成年後見人がついた場合の半額程度で、月1万円~となっています。
任意後見人とは違い、任意後見人監督には本人が選ぶことができません。
※任意後見監督人の選任から任意後見が始まるので、任意後見契約の直後に財産管理がはじまるわけではありません。ただし、別途財産の管理を委託する契約を締結することもできますので、すぐに財産の管理が必要であれば財産管理委任契約も一緒に結びましょう。
任意後見人の報酬についてですが、成年後見人が月額2万円~(財産額に応じて増額)となっているところ、任意後見人の報酬は、任意後見契約の中で自由に決めることができます。と、いっても後見人の業務自体もそれなりに負担のあるものなので、親族が任意後見人となるときもある程度の報酬はあっても良いのかもしれません。最終的には当事者間の裁量で決まることでしょう。相場としては、月額5000円~30000円の間で締結することが多いように思います。
任意後見監督人については、裁判所で選任されるので、報酬を契約で定めることはできませんが、月額1万円~(財産額に応じて増額)と裁判所で示しています。
障害者の親なきあと問題において、検討しなければならないのは両親の認知症等です。
「親なきあと問題」の表記が「親亡きあと問題」ではない理由としては、親亡くなった場合だけではなく、認知症等で介護ができなくなってしまった場合も含めて問題になり得ることから、「親なきあと」の記載となっているとのことです。
障害者の親なきあと問題における両親の認知症対策において効力を発揮するのがこの任意後見契約です。
両親の認知症が進行していった場合、両親が自身で自分の財産を管理・処分できなくなってしまう場合があります。そうなると障害のある子と両親が生計をともにしていた場合、一緒に生活が立ち行かなくなってしまうこともあり、両親についても成年後見制度を利用せざるを得ないといった可能性も出てきます。
また、両親のいずれかが亡くなった場合に、財産の凍結を解除するための遺産分割協議をする際も、認知症で遺産分割協議が整わないという心配もなく、任意後見人が遺産分割協議を代理してくれます。
もっとも、認知症対策のために両親が任意後見契約を公証役場で締結するというような場合は、公正証書遺言も一緒につくることがほとんどかと思われますので、遺産分割協議への対策を考える必要性はあまりないかもしれません。
やはり、日常生活に必要な財産の管理・処分を両親ができなくなったことに備えるのが、この任意後見契約の役割と言えるでしょう。
上記のとおり、精神障害を持つ方が、元気なうちに自身の後見人を選任する場合があります。当相談室にて対応したのが、本人の状態が良くないときに本人が家を出てしまい、戻ってきたころには財産のほとんどを使い切ってしまうという方のご家族からのご相談でした。
そういった場合には、元気なときに任意後見契約・財産管理委任契約を締結し、ふとした衝動によって浪費をしないようにするという対策が可能です。
また、障害のある子供が未成年のうちであれば、親権に基づいて両親が子供のための任意後見契約を締結することも可能です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
こちらの記事の中にもあるのですが、どうしても子供のうちに適格な任意後見受任者を探すことが難しく、とくに家族の中のきょうだいしか任意後見受任者になり得る者がいないということが多いです。
逆に信頼できる法人・専門家・親族がいれば早めに任意後見契約を結んでおくと良いでしょう。
ここまでのお話のとおり、任意後見契約そのものは有用に働く可能性のある制度なのですが、現実的には信頼して依頼できる任意後見人の数が少ない現状にあります。
当相談室の司法書士・社会福祉士も任意後見人を受任してはいるのですが、地域や本人の事情を考えると当相談室で対応し切れない場合もあります。
そこで当相談室では、ご家族内での任意後見契約の締結を推進しながら、任意後見人のお仕事をいろいろな方に行ってもらえるように広めています。
もちろん、後見業務には高い専門性が必要になってくるので、誰もが簡単になれるという訳ではないのですが、現在後見人のなり手が不足しているということもあり、任意後見人の需要は高まってきています。
また、入所施設、グループホームや就労支援施設の運営法人または職員が後見人を兼ねることで、より生活に寄り添った形で後見業務を行える可能性も出てきます。
実際に利用者と任意後見契約を締結したいという法人からのご相談も多くあり、今後は介護と財産管理を一元化できる仕組みが増えていくのかもしれません。
当相談室では、任意後見契約の締結・利用、任意後見受任者からの相談、公正証書での作成に関するご相談を承っております。
お気軽に親なきあと相談室ファミリアにお問い合わせください。
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]]>障害者の親なきあと問題に関する個別相談会を開催します。
開催場所はカフェイースト4
(札幌市中央区大通東4丁目4番44)
こちらの4階の403号室です
(駐車場あり)
下記のいずれかの時間帯を選んでお申込みください。同じ時間帯は一組までしかご対応できかねますので、第1希望から第3希望までいただければ幸いです。
記
時間帯A【 9:00 ~ 9:45】
時間帯B【10:00 ~ 10:45】
時間帯C【11:00 ~ 11:45】
時間帯D【12:00 ~ 12:45】
時間帯E【13:00 ~ 13:45】
時間帯F【14:00 ~ 14:45】
時間帯G【15:00 ~ 15:45】
時間帯H【16:00 ~ 16:45】
以上
お申し込みは、当ホームページのお問合せフォームをご利用いただくか、
こちらのTEL、FAX、メールアドレスなどでお名前とご連絡先とご相談希望時間帯をお知らせください。
TEL :011-558-9544
FAX :011-873-7121
MAIL:info@oyanakiato-familiar.com
※対応する専門家とご相談内容によっては、その場で即答できない場合や他の専門家との協議が必要になる場合がございます。
そういった場合は、ご相談の詳細を持ち帰り、ファミリア内で慎重に協議したうえで再度ご連絡をして回答をさせていただくなどのご対応をいたします。予めご了承ください。
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]]>The post 親権者による未成年障害者の任意後見契約について first appeared on 障がい者の親なきあと問題相談室ファミリア.
]]>簡単に言うと、成年後見制度における成年後見人を家庭裁判所による選任ではなく、契約の中で委任する制度です。
法定成年後見人・任意後見、両者は権限などに微妙に差異がありますが、基本的にはほぼ同じ働きをすることが可能です。
・契約の中で後見人を選ぶため、信頼できる人に後見人をお願いできる
(法定成年後見人との比較)
・後見人報酬を当事者間で決めることができる(法定成年後見人との比較)
・財産管理に限らず、施設の入居契約などの身上監護も行うことができる(福祉型信託との比較)
・契約の取消権がない。(法定成年後見人との比較)
・報酬の発生する後見監督人が必ず選任される。(法定成年後見人との比較)
知的障害または精神障害などにより本人の判断能力が不十分な場合、民法上の意思能力・行為能力が認められず、契約行為ができないことがほとんどです。
それは任意後見契約においても同様であり、知的障害者・精神障害者は自身で任意後見契約を結ぶことができません。
その中で、知的障害者や精神障害者が任意後見契約を利用することはできないのでしょうか。
方法としては、障害者が未成年であれば親が親権に基づいて、子を代理することによって任意後見契約を締結することができると考えられています。
しかしその点については学説の対立があります。任意後見契約は親が代わりにできるようなものではないという考えもあり、ほとんど前例がありませんでした。任意後見契約の制度は本人の意思を尊重するべきということを理念としているため、その意思がない、つまり保護を受ける本人自身の自己決定によらない親権による代理によって行うべきではないというのが消極説の主な理由である。それに対して、事実上の必要性を鑑みた際、裁判所で選任した法定成年後見人には任せたくないという要望が強いことから積極説も支持されています。
相談室ファミリアとしては、今後の裁判例などにも着目しつつ、公証人との打ち合わせの結果、現段階においては可能であると考えています。ただし長期間に渡る契約になるため、法改正の傾向や裁判例などには十分に注意を払っております。
今後の民法改正によって、成年年齢は20歳から18歳に引き下げられます。懸念としては未成年である期間が短くなるために、親権者による任意後見契約という選択肢を失ってしまう可能性が高くなります。その中でさらに注意すべき点は「焦らないこと」です。
たしかに急ぐ必要があると感じやすいところですが、親権者による子の任意後見契約は、その子の一生を大きく左右するものです。まだ時間に少しでも余裕があるのならば、専門家に相談して後見人の選定を含めて慎重に検討すべきと考えます。
未成年障害者の任意後見契約の締結を専門家に相談する際の注意点
未成年障害者の任意後見契約の締結をする際、主に考えうる需要としては、
①「本人の兄弟姉妹(きょうだい)など、家族の誰かに後見人になってもらいたい。」
②「信頼できる施設を運営する法人に後見人になってもらいたい。」
というようなものが考えられます。
このうち①に関しては、見ず知らずの職業後見人には任せたくないということや、後見人費用を節約したいという考えから、家族間での任意後見契約を希望するケースが考えられます
②に関しては、実生活のうえで介助をするものと、財産管理をするものが同じである方が、本人の状態を常に把握しているものにまとめて任せられるという点から希望するケースが考えられます。
一見どちらも有効な手段のようですが、隠れた危険性が存在します。
まず①に関しては、任せた兄弟姉妹などに、後見人としての負担が非常に重くのしかかることが考えられます。
とくに本人の兄弟に関しては、幼いころから心理的・潜在的に兄弟の面倒を見なければならないというプレッシャーを抱えていることや、生活なども本人に合わせた形で送っている場合が多々あります。ここに任意後見契約という形で後見人の立場を確立してしまうと、兄弟自身が自分の人生に大きく制限がかかってしまったように感じてしまうのではないでしょうか。
そうでなくとも後見人としての業務は作業量も多く、財産管理の責任も重くのしかかります。単純に業務としてのストレスも大きくかかります。
これらの事情から本人の成年後などに兄弟から任意後見契約を解除されてしまうというケースや、むしろそのまま兄弟姉妹の人生が大きく制限されてしまうということも考えられます。
よって、後見人となるご家族との話し合いを入念にすることはもちろん、両親として本人だけでなく後見人となる家族の人生も一緒に考えてあげていただきたいです。
次に②に関しては「利益相反」の可能性が考えられます。施設の運営機関が後見人業務を行う場合、後見人としての立場と施設の運営としての立場は、入居契約の当事者としては対立する立場になり得ます。まずその契約そのものの有効性が争われる可能性が考えられます。また、本来生活を介助する施設側と後見人は相互に監視し合うことができる立場であるところ、その機能も失われてしまいます。
これらの問題点は、契約締結そのものには影響しない可能性が高いです。簡単に言えば、公証役場に申請すればそのまま任意後見契約を結ぶことができてしまいます。
とくに障害者の親なきあと問題特有の論点についての見識のない専門家では、相談者に言われるがままにこの任意後見契約を結んでしまうのではないかと危惧しております。もちろんそういった場合でも、公証役場において、その任意後見契約は当然に締結することができてしまいます。
せっかく公証役場で契約を結んでも、十数年後、数十年後に契約面、実務面で不具合が生じる可能性が十分に考えられます。
未成年障害者の任意後見契約は長い期間に渡る契約になるので、そういったトラブルが起きないように親なきあと問題の専門機関である相談室ファミリアにご相談ください。
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