親なきあと問題の「お金」の問題について

親なきあと問題の「お金」について、よくある質問から具体的にお答えしていきます。

Q1.自分で働くことができない子供がいます。両親の介護を受けられなくなった場合、生涯にわたって生きていくのにどのくらいの費用が必要なのでしょうか。

家計は次のように表すことができます。

  • 得られる収入 >> 必要な生活費 ⇒ 余る(貯金が増える)・黒字
    得られる収入 << 必要な生活費 ⇒ 不足(貯金が減る)・赤字

これは、障がいを持つ方がいる家庭でも同じことが言えます。
例えば、障がいを持つ子20歳が、親50歳と共に生活をしているケースを考えてみます。
親の収入(給与)が月20万円、子の収入(障害年金)が月8万円、必要な生活費が月25万円と仮定すると
得られる収入(20万円+8万円) >> 必要な生活費(25万円) ⇒ 3万円余る(貯金が増える)・黒字

となります。

得られる収入と必要な生活費は、各家庭の家族構成や状況や価値観によってばらばらですので、個別に計算してみることをおすすめします。

 

得られる収入例として

・就労による給与収入、ボーナス
・就労支援施設での工賃
・障害年金
・生活保護
・生命保険金
・不動産や株の収入

 

があります。

次にどれくらい日常生活で使う生活費例を項目から上げさせていただきます。

 

必要な生活費例として

・家賃…住宅ローン、グループホーム費用、賃料、火災保険
・車関連…自動車保険、駐車場代、車検代
・食費…主食、野菜、肉、魚、調味料、酒、飲料
・水道光熱費…水道、ガス、電気、灯油
・家具家電
・日用雑貨…シャンプー、歯ブラシ、タバコ、ペット関連
・美容被服費…洋服、アクセサリー、靴、クリーニング、美容院
・教養娯楽費…新聞、雑誌、漫画、音楽、書籍、DVD
・レジャー費…旅行、レジャー、外食、飲み会
・保険医療費…病院、薬、生命保険、医療保険
・交通費…車、ガソリン代、電車、バス、タクシー
・通信費…携帯電話、インターネット
・税金社会保険料…国民年金保険料、所得税、住民税、国民健康保険料

 

他にもまだまだございますが一例としてあげさせていただきました。

実際にどのくらいの費用が必要か?

 

両親の介護を受けられなくなった場合、生涯にわたって生きていくのにどのくらいの費用が必要なのでしょうか。

ご質問にあるように両親の介護を受けられなくなった場合、家計のバランスが大きく崩れることが懸念されます。

例えば、親が亡くなった場合、親の収入(給与)はゼロとなり、子の収入(障害年金)が月8万円のままとします。必要な生活費は、親が亡くなったため少し減ったとして月15万円と仮定すると

得られる収入(0万円+8万円) >> 必要な生活費(15万円) ⇒ 7万円不足(貯金が減る)・赤字

となります。

この赤字分が生きていくのに必要な費用となります。

 

そして、障がいを持つ子が20歳ですので、子が80歳まで長生きしたとすると60年分必要となりますので、

毎月7万円不足×12か月×60年分=総額5040万円不足

と計算できます。

この総額が生涯にわたって生きていくのに必要な費用となります。

 

ここまでお話すると、「うわっ、そんなに必要なのか」と思われるかもしれませんが、全員が全員ではありません。得られる収入と必要な生活費は、各家庭の家族構成や状況によって異なります。

 

例えば、親が亡くなった後に、障がいを持つ子20歳が生活していくケースでも、次のような違いがあります。

 

ケース①

 

障がいを持つ子20歳 障害年金1級 親が亡くなった後に入所施設で生活

入所施設は、必要な諸々の生活費は障害年金の範囲内で収まるように設定されています。
そのため入所施設で生活をしていくとすると、家計の計算は次のようなものになります。

得られる収入(8万円) >> 必要な生活費(6万円) ⇒ 2万円余る(貯金は増える)・黒字

※実際には細々とした支出がありますが、今回は大まかにイメージ頂くために割愛します。子が80歳まで長生きしたとすると60年分必要となりますので、毎月2万円余る×12か月×60年分=総額1440万円余る。

と計算できます。つまりこの場合は、生涯にわたって生きていくのに必要な費用は足りていると言えます。

 

ケース②

 

障がいを持つ子20歳 障害年金1級 親が亡くなった後にグループホームで生活

グループホームは、集団生活となりますが施設ごとに費用が異なります。また、生活に必要な日用品やレジャーも実費で必要となってきます。

仮にグループホーム費用とその他の生活費が合計15万円とすると得られる収入(8万円) >> 必要な生活費(15万円) ⇒ 7万円不足(貯金が減る)・赤字

同様に、毎月7万円不足×12か月×60年分=総額5040万円不足

と計算できます。

つまりこの場合は、生涯にわたって生きていくのに必要な費用は不足していると言えます。

 

ケース③

 

障がいを持つ子20歳 障害年金1級 親が亡くなった後に持ち家で生活

持ち家の場合は、親が遺した自宅に住み続けますので家賃はかかりませんので、月々の生活費はグループホームに比べ少なくすむ傾向があります。ただし介護をする方が近くにいないため、デイサービス・訪問介護・訪問看護といったサービスを別途利用している方もいます。仮にデイサービス等を利用せずに、生活費が合計10万円とすると
得られる収入(8万円) >> 必要な生活費(10万円) ⇒ 2万円不足(貯金が減る)・赤字
同様に、
毎月2万円不足×12か月×60年分=総額1440万円不足
と計算できます。つまりこの場合は、生涯にわたって生きていくのに必要な費用は不足していると言えます。

 

このように、得られる収入と必要な生活費は各家庭の家族構成や状況によって異なりますので、ご自分の家庭で両親の介護を受けられなくなった場合を計算してみることが重要です。ここで最も重要な点は「もし明日両親がいなくなったら」と仮定して計算すること。
誰しもいつか必ず死を迎えます。1年後かもしれませんし、10年後かもしれませんし、明日かもしれません。

 

「もし明日両親がいなくなったら」と仮定して計算すると、家庭によっては、自分で働くことができない子が生涯にわたって生きていくのに必要な費用が大きな数字になるかもしれませんが、計算をする際は、もっとも大きな負担がかかる可能性から考え始めることが大切です。

 

なぜなら「もし10年後両親がいなくなったら」と計算しておいて準備をしたとしても、
現実に「明日両親がいなくなった」が起きてしまったら、結局子供の生活費が不足してしまうからです。

 

「もし明日両親がいなくなったら」と仮定して計算しておいて準備をしたとして、現実は「10年後両親がいなくなった」が起きるかもしれません。そのときは、多めに準備をしておいたのですから、子供の生活費が不足するということはありません。

 

さて、ここまでで自分で働くことができない子供が、両親の介護を受けられなくなった場合、生涯にわたって生きていくのにどのくらいの費用が必要なのかの計算方法をお話してきました。

 

家庭によっては、「必要な費用がわかったけれど、どうすれば良いか…」という方もいるかもしれません。

 

費用を準備する方法

ひとつは、得られる収入を増やすこと。もうひとつは、必要な生活費を少なくすませること。

次回は、そのうちにひとつ、「得られる収入を増やす」について詳しくお話していきます。

 

すぐにでも知りたい場合は無料相談を受け付けておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせ、ご相談いただければ幸いです。

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