親なきあとのエンディングノートの書き方と遺言の違い

障害者の親なきあと問題におけるエンディングノートの役割

エンディングノートとは?

「終活」という言葉が今はやっていますが、終活と聞くと最初に思い浮かぶのはこの「エンディングノート」ではないでしょうか。

内容としては、形式や媒体に限らず、自身が死と向き合う上で必要なことを整理したノートと言えるでしょう。本来の定義から考えると、その内容は人によってさまざまとも言えます。   

現在の終活ブームの中である程度の形式や雛形が出回っているので、エンディングノートの内容については下記のようなものが一般的となっているのではないでしょうか。

・家族や大切な方々へのメッセージ

・自分の財産のこと

・葬儀の際の友人への連絡先

・自身の半生や哲学の記録

・各口座の引き落とし情報

・医療や介護に関する事

・ペットの世話に関して

内容についても特に法律などで決まっている訳ではなく、基本的には自身の書きたい内容を書くよいでしょう。

もう少し後の世代では、SNSのパスワードや処分方法の記載なども含まれてくるかもしれません。

遺言とエンディングノートの違い

「遺言」の詳細についてはこちらへ

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 遺言とエンディングノートの最大の違いは法的要件と法的効力の違いでしょう。簡単に言えば法律の中で定められている方法に則って作成するのが遺言であり、そうでない自由に作成することができるのがエンディングノートと言えます。しかしその「効力」についても違いある点には注意が必要です。

 署名や押印などの遺言として必要な要件も満たしていないエンディングノートの場合では、相続人に対しては法的な拘束力がないということが最大のポイントです。

 たとえばエンディングノートのページの一つに「全財産を長男のために遺してほしい」という一文を遺していた場合であっても、相続人がそのとおりに従ってくれるとは限りませんし、長男がそのエンディングノートを持って銀行などの金融機関や不動産の名義を管轄する法務局に行っても、口座名義や不動産名義の変更などはできません。

 財産や祭祀に関して確実に引き継がせたいのであれば、法に従った遺言を作成するべきでしょう。つまり確実な「相続・争族」の対策としてはエンディングノートだけでは不十分と言えるでしょう。

 かといって、エンディングノートが相続対策にならないかと言えばそういう訳ではありません。遺言書には書けない細かい遺産分割への想いや、家族への愛情のこもったメッセージなどがあれば、それだけで相続人同士の争いを防ぐこともありえます。もちろん、遺言書をのこすことを前提とすべきですが、その補足としてエンディングノートをつくっておくことは決して無駄にはならないでしょう。

親なきあと問題におけるエンディングノートの役割

 さて、この「障害者の親なきあと問題」についてエンディングノートをどのように活用すべきなのでしょうか。当然、一般的なエンディングノートの役割と同じように、家族へのメッセージや自身の情報も記載することになるのですが、その他に重要な点は「障害のある子供の情報の引継ぎ」に関することでしょう。

「情報」を遺す

 障害のある介護が必要な子供について、介護をする者が変わるときには、法的な整備も重要なのですが、その子供の性格・好き嫌い・交友関係のある友人・必要なケア・持病・などについて、介護を引き継ぐ者が知っているかどうかで大きく負担が変わってきます。

もしもそういった情報を引き継ぐ間もなく親が亡くなってしまった場合、遺された子供も介護を引き継ぐ者も手探りで進めていかなければならないため、ひどく苦労されるというお話はよく耳にします。

 成年後見人・任意後見人に対しての引継ぎとしてもとても重要で、本人のそういった情報があるかないかで、後見業務のしやすさも大きく変わります。

 つまり障害者の親なきあと問題におけるエンディングノートは、親なきあとの介護者・後見人への重要な引継ぎ手段と言えるのです。

成年後見制度・任意後見契約の詳細はこちらのページへ

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親なきあとのエンディングノートに代わる引継ぎ手段「見守り契約と障害者」

 上記のとおり、障害のある子どもの情報を、文章によって引継ぎ情報を遺すことは手間もかかりますし、なにより子供の成長や環境の変化によって、引き継ぐ情報を随時変化します。その情報を子供の介護や日々の生活の中で、随時更新していくのはなかなか難しいと思われます。

 そこで相談室ファミリアでは、ノートや物ではなく「人」を遺す対策を進めています。いわゆる「見守り契約」と呼ばれるものです。

見守り人の役割

 相談室ファミリアでは、「見守り」に重点を置いた対策を取っています。定期的に障害のある子ども本人やご家族と面談し、情報を収集し、記録します。メインとしては、本人とご家族のメンタルケアや就労へのコーチングなどを行っているのですが、その中で収集する情報は、そのまま子どもの介護に必要な情報へとつながっていきます。

それらの情報については個人情報なので、原則的には介護を行う者や後見人などの情報が必要な第三者に開示しませんが、基本的に子どものために伝えるべき情報について開示することについては事前の承諾をいただいております。

 

財産だけでなく「人」を遺す。親なきあと問題についてとても重要な点ですので、検討してみてはいかがでしょうか。

おまけ 想い・心を遺すということについて「エンディングムービー?」のすすめ

 財産や情報などは、遺言や上記の見守り人を利用すれば遺すことができますが、想いや心についてはいかがでしょうか。手紙を遺すことなども可能でしょうが、これからの世代は「動画」によってメッセージを伝えるべきということを提案します。

動画・ムービーのメリット

 ① 生きているときの姿や「声」が忠実にのこる

  写真と動画で印象が全然違うということはよくあることです。また亡くなった方の特徴などで、何を最初に忘れていくかというと「声」から忘れていくと言われています。

 ② 永久に保存される

  動画・ムービーをデータ化しておけば紛失することもありませんので安心です。また、特定のURLがあれば見られるようにしておけば、公正証書でつくられた遺言書の付言事項などに記載しておけば、公正証書の中でも保存されることになります。

 ③ 想いが伝わる

  写真や手紙に比べて、実際の姿や声がある方が言葉を受け取る方にも伝わりやすいです。現在の法律では、動画・ムービーに遺言としての効力は認められないですが、今後の法改正によって動画による遺言が認められれば、確実な遺言方法のひとつにもなり得るでしょう。

エンディングノート・遺言・エンディングムービー・見守り契約についてご相談のある方は、相談室ファミリアへご相談ください。

 

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